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「星を食らう星」と呼ばれるブラックホール。
先日2月25日付『Nature』誌において
中国・北京大学の天文学者ウー・シュエビン氏らの国際研究チームによって
太陽の120億個分の質量を持つ超巨大ブラックホールが発見されたとの発表がされました。

今回の発見は長年信じられてきた従来のブラックホール理論を覆すかもしれない、と言われています。
これによって宇宙誕生の歴史に対する新しい見解が提唱される日も来るかもしれません。


今回は長い間考えれてて来たブラックホール理論の説明を中心に
・ブラックホールとはそもそも何なのか?
・従来理論では説明できない発見

について特集します。



ブラックホールとはそもそも何なのか?


ブラックホールと聞くと、「穴」のようなイメージがありますが、太陽や地球と同じ「星」です。

ブラックホールはとても強い重力を持った星の仲間であり、
自然界で最も速いとされる「光」ですら、逃れることができないほどの
強い重力で周囲の星やガスを引っ張っていると考えられています。

地球や太陽は球体を保っていますが、これは重力と圧力が釣り合っているからです。

しかしながらとても強い重力をもってしまった場合、星は重力崩壊を起こしてしまします。

すると、球体を保つことができなくなり、どんどん縮小していってしまいます。

最終的には1点の、莫大な重力を持つ星へと変り果てます。

これがブラックホールです。


重力崩壊はいつ起こる?


重力崩壊を起こした星がブラックホールになるというようなことを
説明しましたが、実際にはどのようにして星はブラックホールになるのでしょうか。

まず前提として、星も人間などと同じように年を取る、というものがあります。
寿命が来ると、星も死を迎えます。

その時、
太陽の3倍以上の質量を持つ恒星(太陽のように自ら光っている星)は
「超新星爆発」という大爆発を起こします。
(ちなみに太陽の質量の3倍以下の質量の構成は爆発はせず、白色矮星(はくしょくわいせい)と呼ばれるものになって冷えていくだけです)

超新星爆発を起こした恒星は星の内部が中心に向って縮小していきます。
これが、重力崩壊です。

超新星爆発を起こす恒星のうち、
太陽の質量の3~8倍のものは爆発によって吹き飛んでしまいなにも残りません。
8~30倍のものは中心に中性子星と呼ばれる星を形成し、落ち着きます。

そして、太陽質量の30倍以上のものがブラックホールになるのです。

ブラックホールに星が吸い込まれる瞬間


従来理論では説明できない発見


ブラックホールとは従来、上で述べたような理由で発生すると考えられてきました。
それに対して今回の研究で発表されたブラックホールはその従来の理論では説明することができない、という点が注目されています。

長い宇宙物理学の歴史の中で、
ブラックホールは周囲のガスや星を吸収しながら
ゆっくりと成長していくと考えられてきました。

しかしながら今回発見されたブラックホールは
太陽120億個分の超巨大ブラックホールである、と報告されています。

スケールが壮大すぎて訳が分かりませんが、
これは最先端の研究を行っている世界レベルの研究の現場でも まったく説明ができないほどの異例の発見なのだそうです。

2018年に軌道投入される予定のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって、
今回の研究がさらなる進展を迎えるらしいです。




今回の記事は難しい話題になってしまいましたが、
なにもかもが便利になってきた今の世の中ですら、
自然界に対する認識は日々変わる可能性がある、
ということを感じていただけると嬉しいです。

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